ノッキング - Wikipedia

ノッキング

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ノッキング: Knocking: Pinging)は、扉をコツコツと叩くことを意味し、自動車分野ではエンジンが金属性の打撃音及び打撃的な振動を生じる現象全般を指す。ノックとも呼ばれる。

目次

[編集] カーノックとエンジンノック

[編集] カーノック

マニュアルトランスミッション車でエンジンの回転数が極端に低い状態で走行したときなどに、車体がガタガタと振動する現象。スナッチとも呼ばれる。

この現象はエンジンマウントの異常などで起こる場合もあるが、通常は運転操作上のミスが原因であり、故障ではない。

クラッチの滑り異常が原因で車体がガクガクと振動する現象はジャダーと呼ばれる。

[編集] エンジンノック

一般的にはピストンエンジンがキンキン・カリカリなどと金属性の音や振動を発する現象全般を指す。極端な場合にはエンジンブローにつながる。

主な原因としては、点火時期が早すぎる・圧縮比が高すぎる・ブーストの上げすぎ・燃料のアンチノック性(オクタン価)・極端に薄い混合気などが挙げられる。 対策としては、点火時期の調整・圧縮比を下げる・ブーストを下げる・高オクタン価ガソリンを使う・混合気を濃くする、など。

内燃機関工学では同様の症状を示すプレイグニッション(早期着火)とデトネーションはノッキングには含めない。

[編集] 内燃機関工学上の代表的なノッキング

[編集] スパークノック

ガソリンエンジン混合気を圧縮して点火プラグによる火花点火を行う。点火プラグを中心に火炎が広がる様に燃焼し、発生した燃焼ガスは膨張する。点火プラグから遠い場所にある未燃焼の混合気(エンドガス)はピストンシリンダー壁面に押しつけられ、断熱圧縮により高温・高圧になる。高温・高圧が限界を超えるとエンドガスは一気に自己着火し、その際に衝撃波が発生する。

この衝撃波は金属性の音やエンジン部品破損の原因となる。また、衝撃波によってピストンやシリンダー壁面に生成されている断熱層が破壊され、急激に熱が伝わる状態になるため、これらの部品を融解させることもある。

スパークノックを防止する方法として、着火しにくい燃料の使用・点火タイミングの遅角化・燃焼室形状の最適化などが挙げられる。着火しにくい燃料にはオクタン価の高いハイオクガソリンや四エチル鉛を混入した有鉛ガソリンがあるが、後者は毒性が強いとされて現在は使用されていない。

[編集] ディーゼルノック

ディーゼルエンジンは空気を断熱圧縮して温度が上昇したところにノズルにより燃料を噴射して自己着火させる。燃焼室内の温度上昇や燃料の微粒子化が不十分な場合には、燃料は自己着火せずに未燃焼のまま燃焼室内に残り、過量の燃料が存在することになる。本来、ディーゼルエンジンは膨張行程の間、連続した燃焼が起こるが、燃焼室内の過量の燃料は一気に燃焼する。そのため、過大な圧力変動が発生し、振動やエンジン部品破損の原因となる。

ディーゼルノックを防止する方法として、燃料の十分な微粒子化・吸気の加熱・着火しやすい燃料の使用などが挙げられる。 着火しやすい燃料にはセタン価の高い燃料がある。

[編集] スカートノック

レシプロエンジンでは圧縮行程と膨張行程の際に、クランクシャフトからの力がコネクティングロッドを介してピストンに斜め方向に作用する。ピストンとシリンダーとのクリアランス(隙間)が大きなエンジンでは、この斜め方向の力によって、ピストンが進行方向に対して垂直にずれてシリンダー壁面に衝突する。この現象が連続的に起きてエンジンが打撃音を発する。

スカートノックが起こると、衝突が繰り返されるピストンやシリンダー壁面には傷や変形が生じる。また、クランクルームに浸入するブローバイガスが増え、エンジンオイルの劣化を早める。

[編集] ノッキングと混同される現象

内燃機関工学上はノッキングではないが、一般的にはノッキングと認識されている現象は次の通り。

[編集] プレイグニッション

プレイグニッション(早期着火)は、圧縮行程の混合気が過熱した点火プラグや燃焼室内に堆積したカーボンスラッジを熱源にして火花点火する前に自己着火する現象。

[編集] デトネーション

デトネーションは高温・高圧の混合気の中を衝撃波が通過することにより、混合気が着火する現象。

衝撃波の原因がスパークノックやディーゼルノックであるために、ノッキングと混同されやすい。

[編集] スパークノック対策

20世紀末以降に生産されているほとんどの自動車にはノックセンサーが装備され、スパークノックを検出すると自動的に点火タイミングの変更を行って抑制する。

また、性能向上のために圧縮比を高めたエンジンや過給機を搭載した自動車には、スパークノックを起こしにくいハイオクガソリンの使用が指定されていることが多い。

点火タイミングを電子制御できなかった時代には、ディストリビュータ部に使用ガソリンにより手動で点火タイミングを切り替えるツマミ「オクタンセレクタ」を設ける車種が多かった。


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