バイオマス - Wikipedia

バイオマス

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バイオマス (biomass) とは生態学で、特定の時点においてある空間に存在する生物の量を、物質の量として表現したものである。通常、質量あるいはエネルギー量で数値化する。日本語では生物体量、生物量の語が用いられる。植物生態学などの場合には現存量(Standing crop)の語が使われることも多い。転じて生物由来の資源を指すこともある。バイオマスを用いた燃料は、バイオ燃料(biofuel)またはエコ燃料 (ecofuel) と呼ばれている。

目次

[編集] 生態学におけるバイオマス

生態学、特に群集生態学生態系生態学において、バイオマスとは特定地域に生息する生物の総量、あるいはその中の群ごとの総量を指し、訳語としては生物量、あるいは現存量を使う。むしろ訳語を用いることの方が多い。

一般には単位面積あたりの該当生物の乾重量で表す。単位面積あたりの現存量を生物の栄養段階に分けて表すと、階層の低いものほど大きく、高いものほど小さくなる。これを生態ピラミッドという。

[編集] 産業資源としてのバイオマス

枯渇性資源ではない、現生生物体構成物質起源の産業資源をバイオマスと呼ぶ。日本政府が定めた「バイオマス・ニッポン総合戦略」では、「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」と定義されている[1]

[編集] バイオマスの特徴

カーボンニュートラル
バイオマスは有機物であるため、燃焼させると二酸化炭素が排出される。しかしこれに含まれる炭素は、そのバイオマスが成長過程で光合成により大気中から吸収した二酸化炭素に由来する。そのため、バイオマスを使用しても全体として見れば大気中の二酸化炭素量を増加させていないと考えてよいとされる。この性質をカーボンニュートラルと呼ぶ。
化石資源(石油などの枯渇性エネルギー資源)に含まれる炭素もかつての大気中の二酸化炭素が固定されたものだが、化石資源が生産されたのは数億年も昔のことであり、現在に限って言えば化石資源を使用することは大気中の二酸化炭素を増加させている。従って、化石資源についてはカーボンニュートラルであるとは言われない。
再生可能資源
バイオマスエネルギーの源は、元を辿れば植物によって取り込まれた太陽エネルギーである。このため、正味でエネルギーが獲得できれば再生可能エネルギーである。

[編集] 利用状況

1990年代以降、バイオマスは二酸化炭素削減(地球温暖化対策)、循環型社会の構築などの取り組みを通じて脚光を浴び、旧来のなどの利用に加え、バイオマスエタノールなど各種のバイオマス燃料の利用も拡大している[2]。しかしその一方で生産のために森林を破壊する例や食料との競合などの問題も指摘されており、より弊害の少ない技術の開発が進められているほか、技術水準に応じた規制も検討が進んでいる[3]

日本においては、地方自治体や環境保護団体などに注目されている[4]。そもそも高度成長期以前の日本では、落葉や糞尿を肥料として利用していたほか、里山から得られる薪炭がエネルギーとして活用されてきた。石油起源の資材、燃料などへの置換により、顧みられることが少なくなったが、近年、廃棄物処理コストの高騰などから高度利用を模索する自治体が増えている。しかし規模の小ささ、政策の弱さ、技術開発の少なさなどから、実験的な規模に留まっている例もみられる。

[編集] 日本政府の取り組み

[編集] 主なバイオマス資源

  • 廃棄物系バイオマス - 、家畜糞尿、食品廃棄物、建設廃材、黒液、下水汚泥、生ゴミ等
  • 未利用バイオマス - 稲わら、麦わら、籾殻、林地残材(間伐材・被害木など)、資源作物、飼料作物、でんぷん系作物等

[編集] バイオマス資源の利用

アルコールを中心としたバイオマスの利用・経済性についてはアルコール燃料の項も参照。

[編集] エネルギー

[編集] 利用の留意点

資源の分散性
地域に広く分散していることが多く、収集運搬管理にコストがかかる。コストと排出量削減の両方の面から、効率的な収集が重要となる。大規模になるほどコストダウンが可能とされる[5]
低カロリー
下水汚泥(脱水ケーキ)・木質(乾燥)・食品残渣・茶かす・わら屑などは、乾燥状態で4.8Mcal/kg(20MJ/kg)前後と灯油の半分程度であるが、ガス化した際のエネルギー変換率は70%と高いため、燃焼ガスへの利用が向いている[要出典]
高含水比
水を多く含む場合、燃料として利用する場合、乾燥させるのにかかるエネルギーと取り出せるエネルギーとの関係が問題視される。アオサ昆布牛乳おから・糞尿類・生ゴミは含水比が80%以上であり、乾燥工程が不要なメタン発酵での利用が向いている。なお、特にバイオエタノールの製造においては、生産されるエネルギー以上のエネルギーを生産するために消費しているケースがあるとされる[要出典]
食料とのトレードオフ
可食部を原料とするバイオマス利用は、食料生産と燃料生産とのトレードオフ関係が懸念されている[6]。これは主にバイオエタノールにおいて指摘されているが、2007年時点において既に実体として穀物の値上がりの原因とされている。日本では飼料作物である米国産トウモロコシの値上げによる肉類の値上げなどが心配されているが、世界的には耕作における水資源の不足から、貧しい人々が多い国における食料不足が懸念されている。
非可食部のセルロース等を利用すれば食料とのトレードオフは発生しないため、政策的な規制等も含め、今後はそのような方向が模索されることとなることが期待される[7]。また同時に、高効率にセルロース系原料からエタノール等に変換する研究にも期待がもたれている[8]
耕地の確保による自然破壊
現時点では農耕地の大部分は食糧を確保するために利用されているが、これにバイオマス燃料を収穫するための耕地が必要となれば、さらなる耕地の拡大が求められ、たとえば熱帯雨林の伐採が進むおそれがあり、検証の必要性が指摘されている[9]。また、耕地の拡大により、世界的に不足が叫ばれている水資源が一層枯渇する可能性が指摘されている[要出典]

[編集] 資材

バイオマスの乳酸発酵によって生成された乳酸から生分解プラスチックが生産される。

[編集] 脚注・参照資料

[ヘルプ]

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク


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